自然素材の無垢床って何がいいの?合板フローリングとの違いとメリット・デメリットを紹介。
- 2023.04.25
- 建築
フローリングってどうやって選べばいいの?
家づくりの際に見た目のイメージを大きく左右する床。
ひとくちに床材と言っても選択肢は数多くあります。
天然素材HOMEでは自然素材である無垢フローリングをお勧めしていますが、他にどんなものがあるのでしょうか?
そもそも無垢じゃないとダメなの?
自然素材である無垢フローリングとは別に、「突板フローリング」や「挽き板フローリング」と呼ばれるものなどがあります。
これらのフローリング素材は、薄い木材を複数枚張り合わせた表面に天然木を薄くスライスしたものを貼り付けてある床材です。
中には突板や挽き板ではなく木目調の模様を印刷したシートを貼り付けてあるものもあります。
これらを総称して「合板フローリング」や「複合フローリング」などと呼ばれています。
突板フローリング
ベニヤのような合板の上に天然木を0.3mm〜1mm程度に薄くスライスしたの突板と呼ばれる板を貼り付けたものです。
この表面に樹脂等でコーティングされているものも多くあります。
突板フローリングのメリット
お手入れが簡単
突板フローリングは天然木部分が薄いため、それを保護するためにワックスや樹脂でコーティングされたものが多いです。
その分水や汚れにも強く普段のお手入れもしやすくなっています。
突板フローリングのデメリット
長持ちしにくい
突板フローリング・挽き板フローリングの寿命は一般的に10〜15年程度と言われています。
もちろん普段の暮らし方にもよってはくるのですが、突板フローリングの場合表面の突板に大きな傷が入ってしまった場合、中の合板が露出してきます。
傷が少ないうちは市販の傷隠しなどである程度は対応可能ですが、年々内部の板を貼り付けている接着剤の劣化もありそこからどんどん突板が剥がれていってしまうこともあり、そうなってくると補修では追いつかないので貼り替えが必要になってきてしまいます。
挽き板フローリング
突板フローリングに比べて厚みのある2~4mmの挽き板と呼ばれる板を表面に貼り付けてあります。
厚みのある板を貼り付けてあるので、突板フローリングに比べると無垢のフローリングに近い風合いとなっています。
表面の見た目にはどちらも天然木が使われているのでこれでもいいのではないのか、と思われるかもしれませんが無垢フローリングとは何が違うのでしょうか。
挽き板フローリングのメリット
無垢フローリングに近い風合い
突板フローリングに比べて表面に貼り付けられた板が厚いので、無垢フローリングのような風合いを出しつつ合板フローリングのメリットが得られます。
挽き板フローリングのデメリット
比較的高価
挽き板フローリングは見た目にも汎用性にもいい反面、無垢フローリングなどに比べても高価になることが多いです。
長持ちしにくい
突板フローリングに比べ表面の板が厚い分傷が内部にまで影響することは少ないですが、こちらも内部の接着剤は年々劣化していくため最終的には剥がれてくることがあります。
シートフローリング
突板や挽き板の代わりに表面に木目調の模様が印刷されたシートを貼り付けたフローリングです。
本物の木材と比べるとやはり違いはわかりますが安定した品質が得られるので広く使用されています。
シートフローリングのメリット
傷や汚れにつよい
本物の木材とは違い表面にさまざまな加工を施したシートを貼り付けてあるので傷や汚れに強いです。
特に近年のものは性能も上がり少しのことでは傷がついたり汚れが染み付いたりということもありません。
均一な仕上がり
本物の木材の魅力はランダムな木目ですが、木の種類によっては木目の出方にムラがあったり、思っていたより節が多く出るなど、カタログ等で見た仕上がりと印象が異なることもあります。
そういった要素が苦手な方はシートフローリングを使うことで予想に近い仕上がりにすることが可能です。
シートフローリングのデメリット
本物ではない
シートフローリングの表面はあくまで印刷されたシートなので、木の質感を求める方にとっては無垢の木に比べると風合いは劣りますので機能性を考慮に入れた上で検討が必要です。
合板フローリングにはない無垢床の魅力
天然木そのものが持つ自然の機能性・メリット
無垢フローリングは複数の板を組み合わせたものと違い、木材そのものを切り出し床に敷き詰めます。
自然にある木材をそのまま使用しているため、木材がもともと持っている性質をそのまま保っています。
合板フローリングは、劣化して一度表面が大きく剥がれたりしてしまったら張り替えるしか手段がなくなりますが、無垢フローリングの場合全てが一枚の板からできているので、傷が入ることはあっても剥がれてくることはありません。
また小さい傷や凹みであれば自分で補修することが可能です。
長持ちする
無垢フローリングは木をそのまま切り出しているので接着剤等の劣化の心配はありません。
きちんとお手入れをしていけば30年以上もつと言われておりほとんど張り替えの必要はありません。
保温・断熱機能
無垢材はその中に空気の層を多数抱えているため断熱性が高く、冬でも冷たさを感じにくい素材です。
漆塗りの木のお椀でも、熱いお味噌汁が入っていても持っても熱さを感じないですよね?床でも同じです。
合板フローリングもメインの素材は木材ですが、それぞれの板を接着剤で張り合わせているため、その分熱が伝わりやすくなってしまっています。
環境や人にもよりますが、中には冬でも裸足で過ごすことができるという方もいます。
吸放湿性
自然の木は生きている時から空気中の水分を吸収・放出しており、フローリング材となった後でもその性質をそのまま保っています。
空気が乾燥している時は水分を放出し、湿度が高い時は吸収し、お部屋内の湿度を最適な状態に近づけます。
壁にも吸湿性がある珪藻土や珊瑚の塗壁を使えばさらに調湿性がアップし、より快適な空間が作れます。
自然素材ゆえのデメリットとなる部分も
傷や汚れが残りやすい
天然の木をそのまま使用しているため、表面にコーティング等がされておらず、外部の影響を受けやすいです。
ペットの爪や、物を落とした際も割と容易に傷がはいりますし、水はねや食べこぼしなどをそのままにしておくと汚れが染み付いてしまいます。
アイロンのスチームで傷や凹みを修復したり、天然のオイルを塗ることである程度汚れを防ぐ効果はありますが、傷や汚れがつきにくいよう加工されたフローリングに比べるとやはり傷や汚れはつきやすくなります。
膨張・収縮
吸放湿性があるということは含んでいる水分の量によって体積や形状にも変化が出てきます。
特に急激だったり長期間湿度が偏った状態になると無垢床の板の隙間が広がったり、ヒビや割れの原因となることもあります。
ホットカーペットやヒーターなどの熱が長時間あたったり、窓際の結露で床が濡れっぱなしにならないようになど注意が必要です。
経年美を楽しめる自然素材の無垢材を
合板フローリングには合理的なメリットもたくさんありますが、無垢フローリングにもそれを上回るメリットや魅力があります。
お部屋ごとにも用途によって床材の向き・不向きがあります。
天然素材HOMEでは無垢のフローリングをおすすめしていますが、必ずしも無垢のフローリングが最善ということはありません。
新しい住まいをつくるにあたってどの素材がいいのか、メリット・デメリットを考慮して選んでいただければと思います。
天然素材HOMEでは無垢床を永年使っていくうちに現れる変化を「経年劣化」と考えず「経年美」と考えています。
革製品のように使い込んで出てくる色の変化や艶を、家族の成長と一緒に楽しんでいただけます。
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