日本の伝統的な“なぐり”加工の床
- 2022.09.17
- 建築
名栗(なぐり)加工って?
皆さんは名栗(なぐり)加工ってご存知ですか。
丸太や床板の表面に大工道具の加工の跡をあえて残しデザイン性を高めている技法です。
本来あくまでも木材に対する下処理であった加工跡を意匠として取り入れたのが茶人の千利休だと言われています。
当時は「釿(ちょうな)」と呼ばれるハツリ加工に使われる大工道具が名なぐり加工に使われていましたが、現代では技術も上がり、道具や加工によってさまざまな表面にアレンジしたなぐり加工があります。
なぐり加工の種類
では、なぐり加工にはどんなものがあるのでしょうか。
スプーンカット
文字通り、木の表面をスプーンで削り取ったような、丸みのある模様が特徴のなぐり加工です。
横からの光が入ることで表面の凹凸が強調され、より印象的な仕上がりにもなります。
ナイフカット
スプーンカットに比べ直線的な模様が浮かび上がるのがナイフカットの特徴です。
比較的規則的な表面ですので、スプーンカットよりもあっさりした印象になります。
釿(ちょうな)
なぐり加工の始まりとなった釿(ちょうな)を使って仕上げた表情の模様です。
伝統的なイメージのある仕上がりですがシンプルな模様が浮かび上がりますので、和風建築はもちろん、洋風の内装にもよくあいます。
リビングにはもちろん、廊下などにもピッタリ
リビングのような広い面で大きく使うのもインパクトが出てオススメですが、やはり通常の無垢材に比べて加工が入る分価格も上がるので、お値段が気になるという方には廊下や縁側などにデザインのアクセントとして取り入れるのもいいと思います。
無垢の床そのままもいいですが、なぐり加工が入った床は印象がガラッと変わるのでアクセントにもなり、足裏で感じる感触も気持ちがいいですよ。
当社でもなぐり加工の床板を使った事例がございますので、ぜひ一度ご覧ください!
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